
泊港(とまりん)について徹底解説!各離島へのアクセス方法や泊港周辺スポットもご紹介
目次
泊港(とまりん)とは?
日本国内で屈指の観光地である沖縄県には、毎年多くの人が足を運びます。
沖縄県といえば沖縄本島での観光や、宮古島や石垣島、西表島といった有名な離島での観光を思い浮べる方が多いですが、沖縄には他にも多くの島々が存在しています。
そんな数ある離島への渡航を可能としてくれるのが、沖縄県那覇市にある泊港です。
泊港には「とまりん」と呼ばれる複合的な旅客ターミナルビルが併設されており、とまりんは離島観光の拠点となってくれるスポットと言えるでしょう。
今回は、沖縄県が擁する魅力的な離島の数々の情報に加えて、泊港の利用情報などをご紹介させていただきます。
泊港からアクセスできる離島
泊港からは数多くの離島に向けて船が出ており、渡嘉敷島・座間味島・粟国島・渡名喜島・久米島・南北大東島へのアクセスが可能です。
これらの島々への観光をお考えの方にとって、泊港およびとまりんは必ず訪れることになる場所です。
ここからは、泊港から渡航できる離島群に関する情報をご紹介しますので、順にチェックしていきましょう。
渡嘉敷島(とかしきじま)
渡嘉敷島は観光人気の高い慶良間諸島の東端に位置しており、泊港からは30kmほどの近距離に位置しています。
日帰りでも行き来が可能という点で人気があり、その最大の特徴は20か所近くにも及ぶ多彩なダイビングスポットが島内や周辺に点在しているという点です。
ダイバー天国と称されることもあり、マリンアクティビティを目的に足を運ぶ人々の姿が常に後を絶ちません。
それ以外にも自然の美しさやザトウクジラのホエールウォッチングが楽しめるなどの魅力が多くあり、沖縄県の離島観光を代表する島だと言えるでしょう。
アクセス方法
泊港から渡嘉敷島への渡航手段には、フェリーと高速船である「マリンライナー」の2つが用意されています。
マリンライナーの方が高額ですが到着までの所要時間が短いため、旅行プランや予算に合わせて使い分けましょう。
料金・時刻表について
フェリーは出航時刻が夏季・冬季ともに午前10時で、料金は片道大人1,690円、子供が850円です。
マリンライナーは3月から9月の夏季は、午前9時、午後16時半の2便が就航しており、10月から2月の冬季は、午前の便は9時発のままで、午後の便が16時になります。
こちらの料金は、大人が片道2,530円、子供が1,270円となっています。
なお、料金や時刻については変更される場合があるため、旅行の直前や予約時にあらためて確認しましょう。
チケットの予約方法について
チケットの予約については、乗船日の2ヶ月前同日から前日までの期間で可能です。
電話で予約をする場合は受付時間が午前10時から午後17時まで、インターネットからは24時間いつでも予約できるため、利用しやすい方を選ぶと良いでしょう。
座間味島(ざまみじま)
続いてご紹介させていただく座間味島は、渡嘉敷島と同じく慶良間諸島に属している島です。
慶良間諸島は国立公園としての指定を受けており、年間を通して国内外から数多くの旅行客が訪れるスポットですが、その中核を担っているのが座間味島です。
ミシュラングリーンガイドの日本版で二つ星という高評価を受けた古座間味ビーチを代表に、魅力的なスポットが島内に数多く点在しています。
誰が訪れても沖縄の離島らしさを思う存分堪能できる、最高の観光スポットだと言えるでしょう。
アクセス方法
座間味島への渡航手段は、「フェリーざまみ」と高速船である「クイーンざまみ」の2つが用意されています。
渡嘉敷島と同様、目的に合った渡航手段を選ぶようにしましょう。
料金・時刻表について
フェリーざまみの料金は、大人が片道2,150円、子供が1,080円となっています。
泊港からの出航時刻は年間を通して午前10時ですので、フェリーの利用時はこの時間に間に合うように港を目指しましょう。
クイーンざまみの料金は、大人が片道3,140円、子供は1,570円に設定されています。
こちらの出航時刻は、1~3月と10~12月は午前9時・午後15時の2便、4~6月と9月は午前9時・午後16時の2便となります。
また、GWと7~8月は増便され、午前9時・午後13時・午後16時の3便となるため、利用しやすくなるでしょう。
チケットの予約方法について
座間味島のチケットについては、電話予約が2ヶ月前から前日までになります。
また、インターネット予約は当日まで可能となっています。
インターネット予約の際にはクレジットカードが必要となるため、注意が必要です。
阿嘉島(あかじま)
慶良間諸島からもう一つ、阿嘉島をご紹介させていただきます。
阿嘉島も他の2島と同様、ケラマブルーと称される美しい海に四方を囲まれており、ダイビングやシュノーケリングを楽しみに多くの観光客が集う島です。
周囲12kmほどとごく小規模な島ですが、コンパクトに離島観光を楽しみたいという方にはベストな島だと言えるかもしれません。
レンタサイクルを利用すれば十分島内を巡ることができるため、ぜひ利用されてみてはいかがでしょうか。
アクセス方法
阿嘉島は渡嘉敷島と程近い位置にある島であり、座間味島と同じく「フェリーざまみ」と高速船「クイーンざまみ」のいずれかで渡航することが可能となっています。
渡嘉敷島よりも先に阿嘉島に着くため、より気軽に訪れることができるでしょう。
料金・時刻表について
料金・出航時刻についてはフェリーざまみ、クイーンざまみともに座間味島行きのものと共通になっています。
しかし、変更になる場合がありますので、旅行前に細かくチェックすることを忘れないようにしましょう。
チケットの予約方法について
チケットの予約についても座間味島へのチケットの予約方法と同様で、電話予約またはインターネット予約になります。
フェリーざまみの場合には別途料金がかかりますが、車や自転車、オートバイなどの積み込みも可能であるため、事前に電話で問い合わせてみましょう。
久米島 (くめじま)
久米島は沖縄本島から西へ100km以上の位置にある離島であり、沖縄県内で5番目に大きな島です。
琉球王国の時代には琉球の国内で最も美しい島だとして「琉美の島」とも称されており、美しい景観に恵まれています。
そんな島内でも特筆すべきスポットとして挙げられるのが、青々とした海に面して白い砂浜が広がる「ハテの浜」です。
楽園めいたフォトジェニックな光景を目当てに、久米島へ足を運ぶ人の数は少なくありません。
アクセス方法
泊港から久米島までは、フェリーが唯一のアクセス手段となります。
台風などの影響で欠航することもあるため、その際には行き来ができなくなるという点を把握しておきましょう。
料金・時刻表について
久米島行きのフェリーには、「フェリー琉球」と「フェリー海邦」の2種類があり、その日によってどちらかに乗ります。
どちらの船にせよ価格は変わらず、大人が片道3,450円で、子供は1,730円です。
また、出航時間も共通で、午前は9時、午後が14時に泊港から出航するタイムスケジュールとなっています。
ただし、毎週月曜日だけは午後の便が運休となるため、旅行スケジュールを組む際には注意しておきましょう。
チケットの予約方法について
久米島行きのフェリーチケットの予約開始は、1ヶ月前から可能となっています。
チケットの予約方法については、電話または切符売り場などで前売り券の購入が可能です。
夏休みなどの観光ハイシーズンには船が混み合う場合もあるため、早めの予約がおすすめです。
渡名喜島 (となきじま)
泊港のある那覇から北西に約58kmの位置にある渡名喜島は、面積が4平方km未満、人口は360人ほどと、日本国内で2番目に小さな自治体と言われている島です。
静謐な空気が島内を満たしており、ゆったりと落ち着いたムードは観光客で賑わう沖縄本島や観光向きの離島とは一線を画しています。
観光客の数は少なく、コンビニや商業施設などもないため、離島観光を通じてスローな雰囲気を堪能したい方にとって最適な島です。
しかし、重要伝統的建造物群保存地区という文化財に指定されているなどしっかりと見所もあるため、独特の魅力を感じさせてくれる島だと言えるでしょう。
アクセス方法
渡名喜島は泊港から久米島へ向かう航路の途中に位置しており、久米島へ行くフェリーを利用して訪れることになります。
渡名喜島に先に到着するため、渡航にかかる時間は久米島行きと比べて若干短くなっています。
料金・時刻表について
料金・時刻表についても、久米島行きのフェリーと同様です。
当日の天候によって欠航する場合もあるため、天気予報や運航情報には十分注意しておきましょう。
チケットの予約方法について
チケットの予約方法も、久米島と同じで1ヶ月前から可能であり、電話または切符売り場で前売り券を購入することで予約することができます。
旅行代理店などで前売り券を購入した場合は、窓口で乗船券への切り替えが必要となるため、把握しておきましょう。
粟国島 (あぐにじま)
次にご紹介させていただく粟国島は、沖縄県の中でもひときわ変わった特徴を持った離島です。
沖縄県の島々の多くは海底のサンゴ礁が隆起することによって生まれたものですが、この粟国島は火山活動によって生まれたという経緯を持っています。
そのため、粟国島の自然景観は他の島々とはまた異なる雰囲気を持っており、特に神々に祈りを捧げるための拝所や御嶽は見所だと言えるでしょう。
琉球王国の時代から根付いてきた独自のアニミズムに触れられる土地ですので、より深く沖縄の文化に触れたい方には、ぜひ足を運んでみましょう。
アクセス方法
粟国島に行くためのアクセス手段は、泊港から出ている「ニューフェリーあぐに」となっています。
就航しているのは1日1便のみですので、時刻をチェックして乗り遅れないようにしましょう。
料金・時刻表について
ニューフェリーあぐにを利用した粟国島への渡航料金は、大人が片道で3,470円、子供が1,740円となっています。
出航時刻は午前9時半と早めであるため、港までの交通手段はしっかりと確認しておくことをおすすめします。
なお、料金・時間ともに変更の可能性があるため、旅行前にはこまめにチェックしておきましょう。
チケットの予約方法について
粟国島行きのチケット予約は1ヶ月前からとなっており、予約のためには、旅行代理店を経由した申し込みか、窓口で直接予約と支払いを済ませる必要があります。
窓口で支払う場合は現金のみの取り扱いとなっているため、注意が必要です。
北大東島 (きただいとうじま)
信仰という側面で沖縄に深く触れられる粟国島に続いて、根付いてきた産業の香りを感じられる北大東島をご紹介させていただきます。
北大東島は沖縄県内の最東端に位置している島であり、明治36年の開拓と同時期に開始された燐鉱採掘やサトウキビの栽培などが盛んに行われていました。
開拓時代の雰囲気を今もなお色濃く残しており、景勝地や史跡と併せて魅力的な観光を楽しむことができるでしょう。
サトウキビ栽培が行われる土地ならではの地酒などにも定評があり、幅広い楽しみ方ができる島となっています。
アクセス方法
北大東島には泊港からフェリーで行くことができますが、北大東島までの距離は約360km離れているため、移動に15時間ほどを必要とします。
また、島の周囲が断崖絶壁になっており、フェリーを接岸させることができません。
そのため、フェリーからの乗り降りにはクレーンが用いられており、ちょっとした冒険感を味わうことができるでしょう。
料金・時刻表について
北大東島は沖縄本島から大きく離れた離島なため、週に1便しか渡航できる便がありません。
料金は、大人が片道で5,790円、子供が2,900円となっています。
出航時刻は午後17時と遅めの時刻であるため、それまでの時間の過ごし方を考えておきましょう。
また、台風シーズンに船が欠航してしまうと、往路・復路ともに次の便は1週間後となってしまいます。
渡航予定を建てる際には、長期の天気予報を詳しく確認しておくことを心がけましょう。
チケットの予約方法について
北大東島への渡航船の予約は電話予約のみとなっています。
天候によっては予約していても船が出ない場合もあるため、注意しましょう。
南大東島 (みなみだいとうじま)
泊港からの渡航先として最後にご紹介させていただきたいのが、沖縄県内でも一風変わった特徴を持った離島である南大東島です。
北大東島と同じく沖縄本島から東に360kmほど離れた太平洋上に位置しており、島の成り立ちを遡ると4800万年前のニューギニア諸島に行きつくと言われています。
長い歳月をかけて3200kmもの距離を移動してきており、人が住み始めてから約110年しか経過していません。
独特の景観や文化と併せて、まだ居住が始まってからの歴史が浅いからこそ感じられるフレッシュな雰囲気が、沖縄県の新たな魅力を感じさせてくれること間違いなしです。
アクセス方法
南大東島は北大東島と隣接している島であり、同じ船で渡航することになります。
こちらも渡航に約15時間が必要であること、かつ週に1便となっているため、利用の際には注意しておきましょう。
料金・時刻表について
料金、出航時刻についても北大東島への便と共通となっています。
チケットの予約方法について
チケットの予約も北大東島と同様で電話予約になります。
予約をしたら当日に現地の窓口にて乗船券を購入しましょう。
泊港周辺の人気観光スポット
離島観光の前後には、必ず泊港を訪れることになります。
そこで泊港の周辺における観光情報を知っておけば、さらに効率的に沖縄本島観光を堪能することができるでしょう。
以下の項目に泊港の近くで観光を楽しめる人気スポットを5ヶ所ピックアップしましたので、順にチェックしていきましょう。
国際通り
那覇市を代表する観光スポットである国際通りは、泊港からも近い場所に位置しています。
国際通りの中には実に450以上ものお店や事業所などが並んでおり、飲食店からお土産店、雑貨店や服飾店など、お食事やショッピングを多彩な選択肢から楽しめるでしょう。
単なる商店街ではなく、沖縄のカルチャーそのものを牽引している土地ですので、ぜひ一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
よしもと沖縄花月
日本のお笑い界の最大手である吉本興業の劇場は、実は沖縄県にも存在していることをご存知でしょうか。
あの有名な吉本新喜劇をベースに、沖縄独自の文化をミックスした独自の催しを見られるのがよしもと沖縄花月です。
お笑いと沖縄ならではの雰囲気を同時に楽しめるため、非常にオススメ度の高い観光プランだと言えるでしょう。
壺屋やちむん通り
「やちむん」とは、沖縄で日常的に使用されている焼き物全般を指す言葉ですが、近年注目が高まっており、日常使いに留まらずアートや文化として昇華されています。
壺屋やちむん通りは総合的にやちむんを楽しめるスポットであり、やちむんの購入はもちろん、お食事や展示、焼き場の見学などを通じて文化に触れることができるでしょう。
普段から焼き物がお好きな方はもちろん、あまり関心がないという方でも楽しめるスポットですので、一度訪れてみることをおすすめします。
波上宮
泊港の近辺でパワースポットを探すのであれば、沖縄県の中でもトップクラスに由緒正しい神社である波上宮が挙げられます。
那覇港を見下ろせる高台に位置していて、「なんみんさん」「ナンミン」という相性で地元の方々から親しまれている神社です。
立派な神社から青く美しい海を臨めるというロケーションは沖縄特有のものです。
旅行の記念に訪問されてみてはいかがでしょうか。
琉装スタジオ ちゅら美人
最後にご紹介させていただくのが、琉球の文化に根付いた独自の衣装を着させてもらい、記念写真の撮影を楽しめるスポットである琉装スタジオちゅら美人です。
華やかな琉球衣装を身にまとえば、沖縄県を訪れたという実感を強く感じられること請け合いです。
フォトジェニックな一枚を記念に残すことができますので、ぜひ離島観光とセットで撮影に挑戦されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は沖縄本島から離島に渡るための交通の要衝、泊港を中心に、さまざまな情報をご紹介させていただきました。
沖縄旅行といえば沖縄本島での観光ばかりがイメージされがちですが、沖縄県は数多くの離島も大きな魅力を秘めています。
沖縄という土地をよりディープに、通好みに楽しむのであれば、ぜひ離島への観光を検討されてみることをおすすめします。
この記事を参考に、良い旅行を楽しんでいただければ幸いです。